えー。あとがき、と言っても、何を書けば良いのかと言うのは案外出てこないものですね。
この小説を書くに至るその経緯を話すとか、そんなことして誰が得する、とか言えるんで。まあそれはこの小説自体にも言えることですが。
とりあえず。
「小さな妖精の奏で唄」を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。途中、色々ツラい場面(主に痛々しさ的な意味で)があったことでしょうが、最後まで堪えてくれたことにひとまず感謝です。
タイトルからしてあれですが、一応ここで言っておきます。
クライネ・フェーンハフトだけが主人公のお話ではありません。確かに名前の意味は「小さい」と「妖精のような」ですけど。
本編に出てくるパーティ「従者と愉快なバトルマニアーズ」のメンバーは、人間が一人しかいない特殊極まりない構成となっています(このパーティでTRPGを行っていた時からそうでしたが、他のパーティにおいても結構そういう構成になってしまったりします)。エルフだったりドワーフだったり……冷静に見てみるとバラバラですね。
エルフもドワーフも、ナイトメアも、人間とは違った魅力をもった種族です。ソード・ワールドでは、私も人間をやったことはあまりありません。
こうした種族を形容する言葉として「妖精」をチョイスしたまで、と言えば聞こえは良いようですが、これは少々こじつけですね。後付です。「小さな」というのも、オウルやクライネと言ったキャラを形容しています。これも後付ですが。
そんなこんなで、この小説は、「従者と愉快なバトルマニアーズ」のメンバーのうち4人を主軸に据えて書かれています。
表現のミスや構成の甘さなど、悔やむべきところは多くありますが、今はそれはどうでもいいので書きません。
……まだこれだけか。参ったな、書くことがあまり思いつかない。
えっと、この小説を通してのテーマは「自分と向き合う」ことですかね。
力が欲しい。とにかく生きたい。そうした感情、またはトラウマ。それらと向き合い、超えていく。あるいは、過去を清算する。そうしたテーマに則って執筆しました。それ故、トーマスだけは書こうにも書けなかったんですね。元々のキャラのつかみにくさと相俟って。
とりわけ、過去との訣別が多いでしょうか。クライネ然り、レフォーナ然り。
これは本編でも描かれていますが、過去は消えません。
忘れてしまっても、触れなくても、過去は決して消えません。
ですが、どんなに辛い過去も、乗り越えることはできます。
乗り越えることによって、新しい何かを探すことが出来るようになります。
「立ち直る」「一歩を踏み出す」とは、そういうことなのではないでしょうか。そのことこそが、自分と向き合うことなのではないでしょうか。
そういったテーマを込めたつもりです。
このテーマからは逸れる話になるのですが、基となっている世界、つまりソード・ワールド2.0のラクシア世界においては、「死と魂の穢れ」というのはテーマの一つとなっています(公式でそういう旨の発言があります)。折角だし、こういうバックボーンがある以上それに触れないのはどうかと思いますので、本小説でも絡ませています。んで、どうせやるなら不死者とも絡ませてみよう、とか思ったりしましたね。その代わり、「蛮族と人族の抗争」というテーマからは少し逸れていますが、元セッション自体がそれとは離れたものだったので、仕方ないかなと。
それと、ドレイクについての設定で、一部公式の設定と矛盾する箇所があります。小説「剣を継ぐもの」、あるいはサプリメント「バルバロステイルズ」にて明らかになった設定なので、この矛盾はどうか見過ごしていただければと思います。また、同サプリメントにて、一部能力名が変更となったことも記しておきます。
この小説自体、GMの一言によって書くことになったものです。嫌々やっていたところも正直ありましたが、やるからには楽しまなければ、ということで、一部自分の趣味を反映させてもらいました。結果としては……まあ、楽しめた、のかなあと思っています。
と、色々書きましたが、本当にネタが無くなったのでこれで切り上げさせていただきます。
最後に、大事なことなのでもう一度。
この小説を読んでくださり、本当にありがとうございました。
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