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その少女は泣いていた。
もう帰らない、彼女の大切な者たち。
もう彼女が、彼らに助けられることはない。
もう彼女が、彼らに認められることはない。
その少女は泣いていた。
涙などとうに枯れ果てている。なのに何故、瞳より流れ出る涙は留まることを知らないのだろう。
彼女の守りたいと思ったものは、既に遠くへ逝ってしまった。
私は泣いていた。
今もどこかで、今もかなたで、私は息を潜めて泣いていた。
十年前から、そうだった。
十年前から、変わらなかった。
強さを、大切なものを守る強さを求めながら、私はどこかで嘆いていた。
私は全てを恨み、憎み、呪った。
何故私に父親がいないのだろう、何故私に母親がいないのだろう。
何故私は、自分の弱さに気付かなかったのだろう。
恨んだ果てに、憎んだ果てに、呪った果てに、何もないことを知りながら。
私は泣いていた…。
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くどいですね。
でも自重しません。
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