―その少女は泣いていた。
もう帰らない、自分の大切なものたち。
―その少女は泣いていた。
もう彼女が、彼らに助けられることはない。
―その少女は泣いていた。
もう彼女が。彼らに認められることはない。
―その少女は泣いていた。
涙などとうに枯れ果てている。なのに何故、瞳より流れ出る粒は留まることを知らないのだろう。
―その少女は泣いていた。
守りたいと思ったものは、既に遠くへ行ってしまった。
―その少女は泣いていた。
―その少女は泣いていた。
それから十年間、彼女の心は空白に染まっていた。
新たな仲間も、新たな土地も、彼女にとっては砂に等しかった。
なじめない空気に、なじめない仲間。
しかし、そんな彼女の思いを気に留めるものなど、その中にはいなかった。
彼女が変わらなければ、一生そのままだろう。それとは逆に彼女が変われば、今まで彼女が見ていた世界は一変するだろう。
今はまだ、彼女はそのことがわからない。
しかし、その島には、彼女を変える出来事が待っていた。
…これは、そんな少女の物語。
「詠え、剣が眼に見初められし小娘よ…」
独題:Das Requiem der Feenhaft
ダス・レクイエム・デル・フェーンハフト。
直訳すれば「妖精の鎮魂歌」。
邦題:小さな妖精の鎮魂歌
賛美歌と書いて「オラトリオ」と読む。単に子守唄との語呂合わせなだけ。
ついでなので俺が求める主人公像について語ろうか。
1、ヘタレであれ 最初から強い主人公なんていらない。
最初はヘタレ(まあ、クライネはその類だろうね)か、もしくは最初から強いが、その力の所為で精神をすり減らしている状態(これはBRAINのサイ・イヴレスがそうなる)
初めから肉体的にも精神的にも強い主人公なんてただのDQNだろ
2、大きく成長しろ 大体作中で主人公が大打撃を受けて、そこから立ち直れたら無双が始まる、くらいが俺としては丁度いいかな
…こんなものを求めてるから主人公いじめが止まらないんだろうけど
あ、でも無双できるのはちょっとの間だけだよ!
3、内面は熱く 大体主人公には冷めたキャラをあてることが多いんだけどね
うん、自分勝手ですね自重します
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