・魔神戦役における英雄
魔神戦役において、魔神を統べる王を倒したと目される英雄は5人いる。我々はその名を語ることを許されてはいないが、彼らはそれぞれ違う神々を信仰していたとされる。一つ、“雷神”ソール。一つ、“賢神”キルヒア。一つ、“纏いの神”ニールダ。一つ、“騎士神”ザイア。そして…“虹神”リインズ。もはや数少ない信者がこの戦争において、その終結のきっかけを掴むこととなった英雄の一人に数えられることを、ここに記しておこう。そして、彼らと共に戦ったものとして、“水の神”ルーフェリアの信者がいたことは紛れもない事実である。未だ誕生して80年経つか経たないかといったところで、遥か南西からやってきたことは、極めて特異である。
5人の英雄は、そのディテールが明らかとなっていない。特に“雷神”ソールの信者は、その名は愚か種族でさえ定かではないのだ。更に言うならば、魔神戦役について詳細を語れるものは一握りしかおらず、それでいて彼らはそのことについて語ろうとはしないのだ。これを陰惨な記憶を呼び起こさないためか、それとも他の何かが理由であるかは、未だ推測の域を出ないものである。
これは私の実体験であるが、以前、魔神戦役について話を伺おうとソールの大神殿を訪ねたことがあったが、魔神戦役期のことに触れればたちまちその人は震え上がり、それ以上の言葉を喋らなかった。これは失われし真語魔法、【ギアス】の影響であると私は推測する。恐らくは、英雄のことを、魔神戦役に関する全ての情報を語ることを禁じられたのだと、私は睨む。
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