・尻尾の呪い
フレイがかけられた呪いは『禁断の魔術』と呼ばれるもの。それは歴史上表に出たことはなく、また現代の魔法使いの誰もが使うことは出来ない。魔術に精通したものの一部に噂として広まっている程度であり、彼らはこの呪いのことを『異界魔術』と呼んでいる。それはこの世界のどんな文献にもこの『禁断の魔術』が載っていないことから来ている。
彼の尻尾には呪いをかけた人物の感情に反応し、その感情をフレイは共有する。またフレイの感情もまた呪いをかけた人物にフィードバックされ、二人の意識は実質上一つに溶け合う。それ故、個としてのフレイは時が経つごとに失われていく。しかし術者は『異界魔術』により自らの精神と魂を別の用意された肉体…ゴーレム、ホムンクルスなどと呼ばれるものに"複製"することが出来るため、完全に個を失うことはない。
『異界魔術』をかけられたものが完全に個を失った場合、精神、魂の状態如何によらずアンデッドとなる。一回の『異界魔術』で術者の肉体および被術者の肉体で二体のアンデッドを作り上げることが出来る。『異界魔術』ではそうして得られた大量のアンデッドを合成させれば究極の生物が造られるとされているが…。
何故フレイに『異界魔術』をかけたのか。それは術者が実験台として未成年の身体を欲していたからだろう。術者の世界では「未成年に『異界魔術』をかけた事例」が無いに等しいからだ。
・異界魔術
文字通り『異世界に伝わる魔術』。何故こう呼ぶか、またその詳細は上述の通り。その成り立ちから歴史、ひいてはその利用法まで全くの謎とされている。不死神メティシエが使う魔術とされることもあるが真相は定かではない。
主に肉体と魂を操る魔術とされ、穢れのないものは『異界魔術』を使うことは出来ない。また多くのノスフェラトゥはこの魔術の存在を知ってはいるが、使うことは出来ない。
現在ラクシアに存在する魔法とは異なり、発声は必要とせず、軽い動作だけで発動できる。死者の魂を呼び戻す魔法はこの魔術の基本となり、高レベルになると魂の生成や複製などが可能となる。また肉体に宿った魂にダメージを与えることも可能。
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