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支離滅裂なことを書いてるただの自己満足ぶろぐ。 中の人は基本痛いです
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虹PTのキャンペーンにもミッシングリンクがある節。なんて言ったらあれですがね。


まあ、俺的解釈だと「従者と~」と虹PTないし神官PTはパラレルワールド的な存在だから、「ここではこうなっていた」感覚で後で読めるんじゃないかな、と思ったり。



 それから一日。
 ようやく訪れた平穏は、早くも過ぎ去った。
 アリオブルグやレブナントとの闘いの傷がまだ残っていたが、もうこれ以上休む気にならなかった。
 心が、落ち着かなかった。
 そう感じていたのは、ディスティルだけではなかったらしい。シュルヴェステルも、クライネも、その一行全員が既に起きてそれぞれの準備をしていた。
 ディスティルも、準備を始める。服を換え、装備を換え、そうして身支度の済んだ頃。
「犠牲は払ったものの、私たちはここで立ち止まるわけには行かないわ」
 レフォーナが突然、そう告げる。その声に、全員が一斉にレフォーナの方を向いた。
 レフォーナの顔には、既に戦闘時の仏頂面が張り付いていた。
 それほどの緊張感を持って当たれということか、それとも長く戦闘が続いた所為で仏頂面が離れなくなっているのか。
 どちらでも良かった。
 そんなことを考えたって、何かが変わるわけじゃない。戦闘が有利になるわけじゃない。考えたって無駄なだけ、かえって戦力を落とす。
「絶対にこの迷宮を踏破して、生きて帰りましょう」
 レフォーナは、手を差し出した。全員が、その手の上に自らの手を乗せる。まちまちな大きさの手が、レフォーナの手の上に置かれる。
 誰に言われるまでもなく、彼らはそうしていた。ゲンを担ぎたいのは、全員同じだったらしい。
「せーのっ…」
 誰かが音頭を取り、全員がそれに合わせて声を上げる。
 応、ええ、ああ、もちろん。
 様々な言葉が同時に舞ったが、不思議と違和感も不快感も無い、奇妙な一体感が、そこには確かにあった。
 その中で、ディスティルはシュルヴェステルが声を発していないことを見抜いていた。
(すっかり元の調子に戻ってるな…)
 いつもの、喋らないシュルヴェステル。
 特に何の違和感も無いが、あれだけ喋っているのを見聞きしていたら流石に違和感を感じざるを得ない。いつも戦闘時には小声で起動語を唱えるシュルヴェステルなら、尚更だった。
 どうやら、「お嬢様」関連のときだけ喋るらしい。もしくは、感情が高ぶったときだけ声を出すとか…。
 どちらにせよ、これから先、シュルヴェステルはそう簡単に喋らないだろうな、とディスティルは思ったのだった。
(ま、いつもどおりでいいか)
 シュルヴェステルが喋ったところで、何かが変わるわけではない。今の状況では、特にそうだった。
 ディスティルは全員に向けて声をかける。
「用意が出来たみたいだし、行くか」
 それに対し、全員が頷く。
 彼らは、第三層「蛮勇の層」へと足を運ぶのだった。

「かなり辛いけど、第二層も制覇したね」
 クライネたちの戦いの経過を一部始終見ていたルードたちだったが、彼らの顔は安堵、というよりも疑問が前面に押し出されていた。
 その対象は、紛れも無く…。
「…そうだけど、あのナイトメアの男の子は何者?」
 ディスティル・ロッド。
 彼の「異貌」を見たときの、あの違和感。
 それに加え、命の危機に陥ったときの、あの力。
 どれをとっても、異常としか言えなかった。
「…第三層でその答えが出る。しばしの間、答えを待て」
 ミラージュが、彼らに語りかけてくる。この魔剣も、ディスティル・ロッドの正体を捉えあぐねているようだった。
 だからこその、曖昧な答え方だったのだろう。
「そう言えば、私たち、四人だったわね」
「うん。リーダーに、俺に、メイル、そしてあのアリオブルグって人」
 四人、という数は、ミラージュに導かれ、この迷宮に来た魂の数だった。そして、各層に赴き、彼らはそれぞれ試練を与える役割を担う。
 ラックはクライネに、アリオブルグはシュルヴェステルとオウルに…、そしてルードとメイルは再びクライネに試練を与えるはずだった。
 だが、この迷宮の層は五つ。
 最下層でミラージュ自らが試練を与えるのだとしても、あと一つの層が空いてしまう。
 一体、そこに何があるのだろうか。何がクライネたちを待つのだろうか。
「ねえミラージュ、第三層には何が待っているの?」
 どうしても気になって、メイルは聞いた。
 その問いに対して、ミラージュは答えるのを少しばかり躊躇しているようにも見えた。
「…ドレイクだ」
 その単語に、ルードとメイルは表情を硬くする。
 ドレイク。数多存在する蛮族の中でも、リーダー格だとされる種族だ。
 優美な容姿と角、皮膜の翼を持ち、また強大な魔力も持ち合わせている。
 ドレイクは卵生であるが、通常生まれるときに、自分の魔力が具現化した武器を持つと言われ、その殆どが剣である。
 その剣は個体の成長、魔力の増加に伴い巨大化して行き、通常は魔力の高いドレイクほど大きな武器を扱う。
 普段は人間の姿をしているが、殆どのドレイクは武器に込められた魔力を取り込むことで、彼らは自身の姿を竜へと変えるのだ。
「わざわざここに呼ぶくらいだから、爵位は持っているんでしょう?」
 恐る恐る、メイルは聞いてみた。
 その問いに、ミラージュは肯定の意を示す。
 ドレイクは、その強さに応じて爵位を名乗ることが知られている。それは男爵、子爵、伯爵、侯爵、公爵の五階位であったが、爵位の「ある」、「無し」では強さがまるで違うのだ。
 特に、子爵と伯爵の間にある格差は、凄まじいものだった。
「あまり言いたくはないが、伯爵だ。名を名乗れ、と言いはしたものの、あの男は名乗らなかった。『試練を与えれば、俺の仕事は終わりだ。なら、名なんか必要ないだろ?』と抜かしたのだ」
 ミラージュは、いささか不機嫌なようであった。
 ルードとメイルは、ため息をついた。
「…あの男、普通のドレイクとは違う何かを感じる」
 違和感。
 それに関しては、「あの男」とディスティルは何ら変わりがなかった。
 いや、同じ「違和感」というには、その性質は全くと言っていいほど正反対だった。
「普通のドレイクと違って、経度の穢れしか持っておらぬのだ。…それも、ナイトメア程度の穢れしかない」
 人族でありながら、蛮族を圧倒するほどの力を持つナイトメア。
 対して、蛮族でありながら、穢れを持たぬドレイク。
 両者の因縁が、もうすぐ結びつこうとしていた。

 上の層…「操霊の層」とは違い、その層の造りは質素なものだった。それでいて、どこか力強ささえ感じる。
 漆喰が塗られた壁に挟まれた廊下を、ディスティルたちは歩いていた。幅が狭く、窮屈ささえ感じるが、かといってそれ以上の不快感も感じられない。
 廊下を抜けると、開けた空間に出た。ここもまた、漆喰が塗られた壁に包まれており、そこに施された装飾もまた味を出している。
 床は大きなタイルが規則正しく並べられているが、所々色が異なる場所も見受けられる。
 基本的に、タイルは壁の色と同じく白であるが、その中に赤や黒などが混じっている。それが不気味だった。
 その部屋は、四角形の一片に半円を接合したかのような形をしていた。そして、半円からは六方向に分かれた通路がある。通路の幅は、人一人がようやく通れて、左右へ少し動ける程度。
 まるで、各々に分かれろ、と言っているかのようであった。
『どう思う?』
 シュルヴェステルは、ディスティルにホワイトボードを見せた。
「どうって、明らかに誘ってるな」
「わざわざ敵の罠に引っかかる必要は無いわ」
 そう言ったのは、レフォーナ。
 確かに、敵の罠にわざわざ足を運ぶことはない。
 だが、他に先へ通じる道は見当たらない。この道しか存在しないのだ。
 もしディスティルたちが固まって行動した場合、どうなるか。
 十中八九、狭い通路で魔物に挟み撃ちにされるだろう。しかも、場所が場所なだけに、何の抵抗も出来ずに殺されるに違いない。
 二手に分かれても、三手に分かれても同じことだった。
「でも、挟み撃ちにされたらそれこそ敵の思う壺じゃないの?」
 クライネが言った。
 ディスティルたちを分断することより、そうして自分たちの有利な方向へ状況を運ぶことが目的だったとしたら。
 やはり、個別で行くしかない。
「一番耐久力のあるお前が先頭になれば良いんだよ。俺は後ろの敵を殴る」
 ディスティルがクライネの頭を(魔力撃で)ごつき、言った。…いくら軽くごついたとしても、魔力撃だから相当に痛いはずだった。しかし、クライネは少し頭を抑えるだけだった。
「いてっ。…なんだよ、それ。人を肉の壁みたいに言いやがって」
 前までクライネの体力の半分以上を、ディスティルは一撃で持っていくことが出来た。
 だが、それはこの迷宮に挑む前の話である。
 度重なる戦いの中で、飛躍的にクライネの剣の腕も、体力も向上していたのだ。具体的に言えば、六と七の差、というやつだ。因みに、防護点もその一行の中では、ディスティルと並び最高だった。
 そんなわけで、今やその一行の中で、クライネが一番耐久力が高い、ということになる。
 これで剣がクライネの手にあればよかったのだが…、生憎と剣はラックに折られたままだった。
 よって、今のクライネは攻撃を避け、魔法を打ち込むことしか出来なかった。
「本当のことを言ったまでだろ。あといい加減お前その喋り方やめろ、うざい」
「んだとこの不良神父!」
 がるるるる…と効果音を付けたくなる剣幕。それ自体より、クライネの言葉の方が、今のディスティルは気になった。
(不良神父…。確かにそうなのかもな…)
 自分でも気付いていた。
 痣。それ自体は生来のものだったが、いつからか、その痣が形を変えていた。不規則だったその形が、剣の形に整えられていたことに。
 異貌を発動させたとき、その痣が発光していたことに。
 それに、アリオブルグを粉々に吹き飛ばした、あの衝撃波。
 あれは”始祖神”ライフォスの力ではない。第二の剣に属する神、”戦神”ダルクレムがもたらした、破壊の力だ。
 恐ろしいほどのあの力。今でも残る、あの時の気味の悪さ。今でも残る、あの時の力の昂り。
 …彼は、今仲間から一刻も早く離れたかった。自分ひとりで考えたかった。
 そう思ったから、彼はこの言葉を口にした。
「…やっぱり、別々に行くべきだ」
 トーマスを除く全員の顔が、動揺に包まれる。トーマスはと言えば、元々馬の所為で別行動を取らなければならなかったため、直接自分に関係がないことだったため、興味がない素振りをしていたのだろう。
 その証拠に、トーマスはこう言った。
「ぼくは馬がいるからどうでもよかった」
 レフォーナは色々考えていたようだが、結局はディスティルの意図を汲むことにしたのだろう。彼の意見に同調して、彼女は言葉を発した。
「そうね、みんなやられるよりは、被害が最小限の方が良いでしょうし」
 シュルヴェステルもオウルも、少し考えてからその意見に同意を示した。
 しかし。
 最後まで反発したのが、クライネだった。
「確かに、そっちの方がみんな纏めてやられずに済むかもしれない」
 言葉の続きを、彼らは待った。トーマスは初めから話を聞いていないようで、馬と戯れていたが。
 要するに、クライネの言い分は「いくらなんでも一人ずつは危険だ。せめて二人ずつでいこう」というものだった。
 確かに、それなら単純に襲われると危険なレフォーナをカバーできるし、互いが生き残る確立も高くなる。
 しかし、それは被害が出たとき、抜ける穴が大きくなるということでもあった。
「…別にいいが、俺は一人でいいか?」
「どうせぼくは馬がいるから一人だった」
 結局、真ん中・右の通路をディスティルが、真ん中・左の通路をトーマスが、左から二番目の通路をオウル、シュルヴェステルが、右から二番目の通路をクライネ、レフォーナが進む、ということになった。
 これで、彼らの方針は決まった。
「恐らく、ボスの部屋で合流だろう。出来るだけそこで合流できるようにしようぜ」
「わかってるよ」
「了解だよっ」
「わかったわ」
『了解』
「おk」
「じゃあ、行くぞ。死ぬなよ、みんな」
 彼らは、それぞれの道を進み始めた。

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